2015年9月17日木曜日

意識調査?

アンケート

みなさん、イランカラテー!
 
先日、途中まで見た「氷海の伝説」!とてもおもしろかったです!
その話はまた後日することにして…今日はちょっと時事的な話をお話ししてみることにします。

 
知らない人も多いかもしれませんが、9月下旬から 内閣官房 アイヌ総合政策室 というところが主体となって「国民のアイヌに対する理解度についての意識調査」というものを実施します。
詳しくは こちら を見てみてください
 
実施理由は
平成 25 年に内閣府において実施した「アイヌ政策に関する世論調査」において、アイヌ の人々に関し、現在は差別や偏見がなく平等であると思うか聞いたところ、「平等ではない と思う」(9.2%)、「どちらかというと平等ではないと思う」(24.3%)という回答があわせて 約 3 分の 1 に上っていたことから、その要因の分析、対応策を検討するため」 
だそうです。(引用)
ちらし

つまり 今回の意識調査の目的は「アイヌに対する差別」はどんなものなのか、具体的に知ろう ということのようですが ここで少しだけ重要だと思うことを書き残しておこうと思います。
とくにアンケートに協力するアイヌの人たち、とりわけ若い世代のアイヌに届けば嬉しいです。
 
 
この意識調査の話を聞いたときわたしが一番に思ったのは、個人を対象にしたアンケートだけで差別の概要は読み取ることができるのか? ということでした。
 
差別には大きく2つの種類があると思います
ひとつは 個人に対する差別。もうひとつが 集団に対する差別
(正確には「個人が個人を対象とする個人差別」と「ある人種や民族が他の人種や民族全体を対象とする構造的・制度的差別」というそうです。(増補 アジアの差別問題))
 
確かに、目に見えやすい 個人に対する差別 は年配の方に比べると、面と向かって「アイヌ!」と罵られることは少なくなったという意味で、ある程度解消してきているのかもしれません。
 
もちろん完全にないとは言いません。わたしも不勉強から嫌な気分になることばを言われたことはあります…
たとえば、アイヌ語やアイヌ文化を失わされた歴史的経緯も知らないような人に「アイヌっていうならアイヌ語しゃべってみろよ」と言われたり。
 
まぁでも、最近は「アイヌってかっこいいよね!」と言ってくる人たちも多かったりして 若い世代のアイヌにはよく「差別経験がない」と分析している方が多かったりします。
 
その分析が正しいか正しくないかは今は問題ではなくて…
このアンケートをするにあたって、2つみなさんに心にとめてほしいことがあります。
 
ひとつは いまあなたがアイヌであることで/アイヌの系譜を持っていることで 個人的で直接的な差別を受けていないとすれば、それは 「あなたのひとつ前の世代が自民族への差別に対して我慢と沈黙をつづけていたから」という要素が強くあるということです。
 
映画ミーティングでも鑑賞した「コタンの口笛」
そのなかにも 差別に負けず生きたアイヌ像 が描かれていました。
 
若い世代のアイヌが個人的差別を受けていないことで(仮にですけど…)、この数十年で「日本社会が変わった」…アイヌ民族にも、主流社会と異なる集団にも寛容な社会になった、と結論付けるのは早計です。
 
 もうひとつ…
現在問題になっている、もしくはこれか議論していかなくてはいけない「差別」の問題というのは、集団に対する差別 の問題だとわたしは思っています。
 
ヘイトスピーチや歴史教科書の記述問題にしても あれは個人への差別ではなく、アイヌ民族という 集団に対する差別 です。
 
差別というのは意識的、無意識的に起こる問題ですが、この集団に対する差別=構造的・制度的差別というのは一般的に目に見えにくい形で巧妙に存在しています。
そしてその集団に対する差別は「社会の確立し、受容された制度の機能により起こる」ものが多く、個人に対する差別に比べて「差別側の社会構成員による非難を受けにくい」という性質を持っています。(参考:手島武雅「Re:オシケオップアイヌ-刑務所と先住民族-)
 
周りにもいませんか?「歴史教科書の記述はまぁ、そんなに問題ではないでしょう」という方は。
(歴史教科書の問題点を書いたブログは こちら です)
 
このような問題を生じさせた いつまでたっても和人中心の社会構造そのものが、差別的状況を生み出しているのです。そして先住民族のもつ権利を達成できていない、この状況がもうすでに差別的状況といえるでしょう。
 
またアイヌの系譜を持っていることを言わない/隠している人がいるという事実も「集団に対する差別」があることを意味していると思います。(反対する人もいると思いますけど…)
 
以前ある知人に「アイヌの活動をすると怖い目にあうかもしれないから」という理由で交流を絶たれたことがありました。
そのひとがおびえていたものはなにか?まさに「目に見えない形で巧妙に存在する アイヌ民族への差別」以外の何物でもないと思いました。
 
 
 あぁ長くなってしまいましたが、この辺で終わりにします。
 アンケートに答える際は もしくは 社会をとりまく差別問題を勉強する際は ぜひこの点も一緒に考えていただけると幸いです。
 
 それではまたお会いしましょう^^
スイ ウヌカアンロー!

2 件のコメント:

  1. 公開でも非公開でも構いません。ご参考まで。
    http://don-xuixote.hatenablog.com/entry/2015/09/23/015319

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    1. 読みました。動画も拝見しました。
      ありがとうございました。

      不思議の国のアリスにならないように、いま持てるものを使って考えるしかありません。

      明日は上村先生の講演ですので、しっかり勉強してきます。

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